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関根 由莉奈; 南川 卓也; 廣井 孝介; 大場 洋次郎*; 永川 栄泰*; 杉田 剛; 柴山 由樹; 深澤 倫子*
Carbohydrate Polymers, 327, p.121538_1 - 121538_11, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Applied)セルロースの結晶転移とその後の凍結架橋反応によってナノセルロース(NC)から形成された、無毒で強靱なNCゲルを開発した。低濃度のNaOHの使用と凍結を併用すると、凍結濃縮によりセルロースIからIIへのNCの結晶相転移が誘導されることを見出した。結晶相転移後、凍結濃縮層(FCL)内のNCとCA間の架橋により、強力なNCネットワーク構造が形成され、高い機械的強度を備えたNCハイドロゲルが形成した。凍結架橋したNCハイドロゲルは、NC-NaOHゾルと粉末吸着剤を混合することにより吸着剤を内部空間に容易に保持し、高い重金属除去効率を示した。この結果は、機能性材料の開発における化学修飾されていないセルロースの多用途性を示し、実用化の可能性を示すものである。
関根 由莉奈
ファインケミカル, 52(8), p.25 - 32, 2023/08
凍結現象を利用することで、カルボキシメチルセルロースナノファイバーを主体とした無害な素材のみで 高い圧縮負荷にも耐えるハイドロゲルが形成することを発見した。鍵となるのは水溶液が凍結する時に起きる、氷結晶と溶質の相分離である。本稿では凍結架橋ゲルの形成メカニズムやゲルの特性について述べる。
三浦 大輔*; 関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 大場 洋次郎; 廣井 孝介; 大澤 辰彦
Carbohydrate Polymer Technologies and Applications (Internet), 4, p.100251_1 - 100251_9, 2022/12
凍結架橋により形成されたカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ゲルの反応機構を調べた。異なる反応時間で調製されたCMCFヒドロゲルの物性評価により、凍結架橋反応中の階層構造変化の観察に成功した。凍結架橋CMCFヒドロゲルは、従来の方法で形成された通常のゲルとは異なり、オングストロームからマイクロメートルスケールまでの特徴的な階層構造を示し、その特異的構造が飛躍的な力学強度の向上に寄与していることを明らかにした。
関根 由莉奈
型技術, 36(8), p.70 - 73, 2021/08
凍結伴う溶媒と溶質の相分離現象を利用することにより高強度なセルロースナノファイバーゲルが形成することを発見した。詳しいゲル化メカニズムや形成したゲルの性質について紹介する。
八木 敏明
第14回放射線利用技術セミナー; 広がる放射線の産業利用講演テキスト, p.67 - 72, 2004/10
生分解性プラスチックは、通常の使用に耐え、使用後は土壌中の微生物によって分解する環境に優しい高分子である。放射線橋かけが難しい生分解性プラスチック(ポリ乳酸など)や天然高分子の多糖類(デンプン,セルロース,キチン・キトサンなど)について、放射線による橋かけ構造を導入する技術開発を行った。ポリ乳酸は放射線橋かけにより、高温(160C以上)にも耐える耐熱性が得られ、熱収縮材への応用が可能である。また、デンプンやセルロースなどは放射線橋かけにより、高吸水性多糖類ゲルが得られ、医療・福祉,農業,衛生用品などへの応用が期待できる。
尾崎 卓郎; 木村 貴海; 大貫 敏彦; 吉田 善行; Francis, A. J.
Environmental Toxicology and Chemistry, 22(11), p.2800 - 2805, 2003/11
被引用回数:21 パーセンタイル:45.14(Environmental Sciences)有害金属の環境中での挙動は、種々の無機または有機物質により支配される。本研究では、環境中に広く存在し、有害元素の環境挙動に影響を与えるクロレラ()を対象として、Cm(III)及びEU(III)との相互作用を評価した。バッチ評価によりpH3~5の溶液からのクロレラへのCm(II)及びEu(III)の分配比を測定した。両イオンの分配比は3分以内に最大に達し、その後は徐々に減少した。これは、Cm(III),Eu(III)に配位能を有する物質をクロレラが溢泌し、細胞上に吸着した同イオンが時間とともに溢泌物により脱着されることを示唆する。また、両イオンの分配比は高pHほど低く、溢泌物と両イオンとの親和性または溢泌量にpH依存性があることがわかった。時間分解レーザー誘起蛍光分光法によりクロレラ上に吸着したEu(III)の配位状態を調べ、吸着したEu(III)の内圏に存在する水分子の数が水溶液中のそれと同一であることがわかった。また、同手法により、クロレラ細胞上のEu(III)の吸着部位が細胞壁主成分であるセルロースであることも明らかにした。
尾崎 卓郎; 木村 貴海; 吉田 善行; Francis, A. J.*
Chemistry Letters, 32(7), p.560 - 561, 2003/07
被引用回数:5 パーセンタイル:26.45(Chemistry, Multidisciplinary)構造が類似した生体高分子であるキチン,キトサン及びセルロースへのEu(III)の吸着挙動を、分配比測定法及び時間分解レーザー誘起蛍光法(TRLFS)により調べた。Eu(III)のキチン及びキトサンへの分配比はlogK=24(gcm)であり、それらはセルロースへの分配比logK=0.53(gcm)より大きい。これらの生体高分子は類似した高分子構造を有するにもかかわらず、Eu(III)の配位環境は著しく異なることがTRLFSにより明らかになった。すなわち、キチンに吸着したEu(III)は内圏配位型,キトサンに吸着したそれは外圏配位型,セルロースに吸着したそれは、内圏型・外圏型の中間的な配位状態を示した。金属イオンと高分子との相互作用の解明には、高分子構造のみならず吸着イオンの水和構造の正確な把握も必要である。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Macromolecular Materials and Engineering, 287(4), p.285 - 295, 2002/04
被引用回数:58 パーセンタイル:85.14(Materials Science, Multidisciplinary)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が20%以上のペースト状態の照射により橋かけ反応を起こした。橋かけHPCは吸水しハイドロゲルとなった。得られたハイドロゲルは温度応答性を示し、35~40Cで著しい体積収縮が起き、温度降下により元の体積に戻る可逆的変化を示した。ゲル強度は線量とともに増大した。このハイドロゲルは、50kGy照射により10kGy照射の3倍大きい強度が得られた。乾燥後のゲルについても照射により著しく強度が増加した。これらの結果から、ペースト状橋かけが機械的強度の向上に有効であることがわかった。また、HPCは酵素分解の結果から、橋かけ後も生分解性を有していた。
鐵 桂一*; 澤田 淳
JNC TN8430 2001-006, 65 Pages, 2001/10
NETBLOCKではこれまで、亀裂交差部の透水性を把握するための試験を行ってきた。しかし、試験で使用した岩体は透水性が高いため、制御可能な試験条件下で亀裂内の流れが乱流となる可能性が指摘されている。亀裂内の流れが乱流である場合、亀裂開口幅、透水量係数を過小評価してしまうため、層流状態を達成する必要がある。本試験では、水よりも粘性の高い流体(高粘性流体)を用い、これまで使用してきたT字に交差した天然亀裂を持つ花崗岩を用いた。また高粘性流体は、メチルセルロース系の水溶液を使用した。高粘性流体を用いることにより、マノメータを広い範囲で使用でき、測定の精度を上げることができた。また、0.1wt%以上の高粘性流体を用いることで、岩体亀裂内の流れが層流になる結果が得られた。
吉井 文男
水, (612), p.16 - 22, 2001/06
ハイドロゲルは多量に水を含んだ親水性ポリマーからなる。紙オムツなどの水吸収体はハイドロゲルからできている。生分解性ハイドロゲルは使用後コンポスト化により処分でき、土に還元できる循環型の材料として注目されている。セルロース及びデンプンは水との親和性の良い材料であるが、放射線により分解するため、橋かけによる改質は困難とされてきた。本稿では、これを克服し高濃度ペースト状照射により、橋かけが起こることを見いだした。橋かけ挙動、ハイドロゲルの膨潤特性、橋かけ後の生分解性について述べる。
吉井 文男
コンバーテック, 28(12), p.32 - 35, 2000/12
セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロースが高濃度のペースト状で放射線橋かけすることを見いだした。本稿では、照射条件と橋かけとの関係を述べる。(1)カルボキシメチル基による置換度が橋かけに著しく影響した。(2)置換度が0.7であるとペースト状でも橋かけしない。(3)置換度が1.0以上、濃度が10%以上から橋かけが起きる。(4)置換度が2.2の試料は、50%のペーストをつくることができ、この濃度が橋かけに最も有効である。(5)コンポスト化試験により橋かけしても生分解性を保持している。
Lam, N. D.*; 長澤 尚胤*; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 59(4), p.393 - 398, 2000/10
被引用回数:15 パーセンタイル:68.6(Chemistry, Physical)リグノセルロース物質の高線量照射及び糸状菌処理を行い、植物の生育に対する効果を検討した。これらの処理により、リグノセルロースの化学組成は著しく変化した。照射処理では、溶解度の上昇や繊維成分の減少などの変化が認められた。また分解産物は、植物の生長に関与するオーキシン誘導活性を増大させるなどの生物活性が認められた。これら分解処理による生物活性の増大は、オリゴ糖、特にガラクチュロン酸の作用によると考えられた。
吉井 文男
放射線化学, 2000(70), p.12 - 19, 2000/09
合成系及び天然系生分解性ポリマーの放射線改質について、原研で得られた成果を述べる。(1)照射したポリ(-カプロラクトン),(PCL)が種々の相状態で照射した結果、過冷却相が最も橋かけしやすく、橋かけ後は未照射よりも生分解性が速い。(2)合成系生分解性ポリマーの加工性が、30kGy程度の照射で分枝構造を導入することにより改善できた。フィルム成形や発泡体成形を可能にした。(3)セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が水を添加し良く練り、50~60%の高濃度のペースト状態で照射により橋かけした。これは高い吸水性をもったものである。
吉井 文男
放射線と産業, (87), p.55 - 58, 2000/09
天然多糖類の放射線改質研究の一環として行っているカルボキシメチルセルロース(CCMC)の橋かけについて紹介する。CMCを固体の微粉末状態、希薄水溶液、グリースに近い高濃度(ペースト状)で照射した。その結果、ペースト状態でのみ橋かけした。橋かけはカルボキシメチル基の置換度に依存し、置換度が高いほど橋かけが起きやすくなる。このゲルは高い吸水性能があり、1gのドライゲルが約400gの水を吸水する。従来CMCは放射線照射では、分解型と言われていたが、ペースト状で橋かけが起こることから、医療、化粧品、農業分野への応用の期待が高まってきた。
久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.87 - 93, 2000/03
多糖類の放射線処理に関するこれまでの成果を報告する。放射線処理の目的は、(1)放射線殺菌と(2)放射線改質に大別できる。放射線殺菌に関しては、マレーシア原子力研究所(MINT)との二国間研究協力により進めてきた「オイルパーム空果房(繊維質廃棄物)の飼料化」に関する成果について述べる。また、放射線改質に関しては、(1)植物生育促進、(2)エリシター活性の誘導、(3)殺菌活性、(4)重金属などの生育阻害の抑制効果について、得られた成果を紹介する。用いた多糖類は、アルギン酸、カラギーナン、ペクチン、セルロース、キトサンであり、放射線分解産物によって誘導される生物活性について述べる。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365, p.174 - 175, 2000/00
放射線分解型のセルロースに橋かけ構造を導入するため、その誘導体のカルボキシメチルセルロース(CMC)を水とよく練りペースト(グリース)状で照射し、橋かけが起こることを見いだした。照射は希薄水溶液、固体及び高濃度のペースト状で行った。固体及び5%以下の水溶液では、分解が優先した。10%以上のペースト状で照射すると水に不溶のゲルが観察され、橋かけが起きた。橋かけはカルボキシメチルグループの置換度(DS)とペーストの濃度に依存した。DSが2.2のCMCは、60%の高濃度でペーストをつくり、5kGyで80%のゲルが生成した。コンボスト化試験による橋かけCMCの生分解性は、未照射CMCよりも分解しやすかった。このほかにヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースも同じ手法により橋かけが起こることを見いだしたので述べる。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(10), p.81 - 100, 1999/10
放射線分解と放射線重合の現状と動向について解説した。分解と重合の放射線エネルギー利用効率にはかなりの差があり、放射線分解のG値は十以下であるが、重合のG値は数百以上である。既に実用化されている放射線分解でポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末化と最近ドイツで工業化されたセルロースの放射線分解によるビスコースレーヨンの省資源・環境保全プロセスを解説した。次いで原研が見いだした海洋系多糖類の放射線分解生成物の生理活用作用を紹介した。放射線重合では木材・プラスチック複合剤とハイドロゲルの工業化は困難と思われる。放射線重合で今後の研究開発が期待される分野としてカチオン重合性モノマーの電子線乳化重合をとりあげた。本技術の開発によって従来の乳化重合では不可能であったような新しい水系樹脂が誕生する可能性がある。
久米 民和; 長澤 尚胤*; 吉井 文男; Tham, L. X.*; Hien, N. Q.*; Ha, P. T. L.*; Lam, N. D.*
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.475 - 480, 1999/00
キトサン、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、ペクチンなどの多糖類は、放射線により容易に分解する。これらの放射線分解産物の植物への効果を検討した。キトサンの放射線分解産物は、抗菌活性、植物生育促進、植物の重金属障害の抑制、ファイトアレキシン(抗菌物質)の誘導など、種々の生物活性が発現した。ペクチンの放射線分解産物も、ダイズにおけるグリセオリンやエンドウにおけるピサチンなどのファイトアレキシンを誘導したが、その活性はキトサンの方が高かった。植物の生育促進効果に関しては、アルギン酸、キトサン、リグノセルロース抽出物などに強い活性が認められた。これらの結果から、放射線分解多糖類は種々の生物活性を発現し、農業や医学への利用の可能性が示された。
久米 民和; 松橋 信平; 伊藤 均; 橋本 昭司; 石垣 功*; M.R.Awang*; M.Lebaijuri*; Z.Othman*; F.Ali*; W.B.W.Husain*; et al.
JAERI-Research 98-013, 206 Pages, 1998/03
放射線加工処理分野における原研とマレーシア原子力研究所(MINT)における二国間研究協力が1987年12月に調印され、「オイルパーム廃棄物の有効利用」に関する研究が10年間実施された。1987年~1992年の第1期では、(1)汚染微生物の放射線殺菌、(2)照射した廃棄物の物理化学的性質、(3)有用菌の選択と発酵条件、(4)発酵産物の栄養価、(5)経済性評価について検討し、放射線殺菌とキノコ菌による発酵処理が有効であることを明らかにした。第2期(1992~1997年)には、(1)パイロットプラントにおける飼料生産のフィジビリティ・スタディ及び、(2)生物活性物質の生産について検討し、本プロセス実用化のための基礎的知見を得た。本報告書は、オイルパーム廃棄物である空果房の放射線殺菌とキノコ菌による発酵処理を用いた飼料化プロセス実用化のための研究成果をまとめたものである。
下城 実喜男*; 千葉 保*
PNC TJ1281 98-008, 35 Pages, 1998/02
キムタオル、キムワイプ及びISAのアルカリ分解試験を行い、以下の知見を得た。・セルロース分解率は最大7%であった(8週間浸漬)。・セルロース分解後の試験液中のTOCの3455%がISAであった(8週間浸漬)。・Ca(OH)2飽和溶液では、ISAの分解は認められない(8週間浸漬)。ISA共存下でのAmの溶解確認試験及びセメント吸着試験を行い、以下の知見を得た。・ISA濃度が10-5M程度以上から、Amの溶解度上昇(410-12M210-9M)が確認された。・ISA濃度が10-3M共存する条件下でも、吸着試験におけるAm濃度は検出限界(0.02[Bq/mL]=710-13M)以下であった。また、既存コードを改良し、性能評価における有機物影響評価を行うための解析ツールを整備するとともに試解析を行った。